反応力テスト概要
-急ブレーキに対応する力
-ランダムな指示に咄嗟に対応する力
反応力テストでは、急ブレーキへの反応速度・対応速度や、ランダムな指示を見て咄嗟に判断し対応する力を測定します。
2種類のテストがありますが、それぞれに目的が異なり、操作する速さを見るテストと、正確さ、冷静な判断を見るテストがあります。
緊急ブレーキテスト
右半身に麻痺などがある場合、左足でアクセルを操作できるよう、左アクセルペダルがあります。
下肢が不自由な方は、手でアクセル・ブレーキを操作するための装置【手動装置(ハンドコントロール)】を使用します。
画面には、信号が表示されます。
青信号・黄色信号のときはアクセルを踏み続けてもらいます。※黄色信号でもアクセルを踏み続けます。
赤信号になったと同時に、ブレーキに踏みかえます。
停車するまでの時間を4つの時間に分けて、どの動作にどれだけの時間がかかっているのか、細かくみることができます。
①認知反応
赤信号を目で認識して、足元(手元)がピクッと反応するまでにかかった時間です。
手と足では、手の方が指令が送られる脳からの距離が近い分、認知反応が早くなる傾向があります。
身体状況によっては、足が動く場合でも手動装置をおすすめさせていただくこともあります。
②アクセル
アクセルペダルから足を離し切るまでにかかった時間です。
ペダルにはバネが入っているので、バネがペダルを押し返す力と伴い、こちらにはほとんど時間がかからないことが多いです。
この操作に時間がかかる場合には、足首を持ちあげる動作、もしくは足全体を持ち上げる動作が困難であることが考えられます。
状況を見て、他の四肢で操作することをおすすめすることもあります。
③踏みかえ
アクセルペダルからブレーキペダルへ踏みかえにかかった時間です。
麻痺のある四肢で操作する場合、こちらに時間がかかってしまうことが多く見受けられます。
リハビリ等で強化することができるのか、担当の方も含めて相談していくこともあります。
なお、手で操作する場合は、手動装置を手前に引くとアクセル、奥へ押すとブレーキになることから踏みかえが必要ないため、足に比べて時間はかかりません。
④ブレーキ
ブレーキが効き始めるまでにかかる時間です。
全体的に、こちらに時間がかかることはあまり多くありませんが、焦って、ブレーキとアクセルペダルを同時に踏み込んでしまうことがあります。
ペダルの位置の把握をしっかりしていただくこと、謝ってアクセルを踏み込んでしまわないことが大切です。
6点反応テスト
6点反応テストでは、操作の速さよりも丁寧さ、冷静な判断・確実な反応ができているのかを測定します。
画面左側の2枠、下側の2枠、右側の2枠の合計6つの枠に、ランダムに矢印が表示されます。
左側に表示された矢印は、左手の手動装置を使います。
右側に表示された矢印は、右手の手動装置を使います。
下側に表示された矢印は、ペダルを使います。
ランダムな指示に、両手と足を使って対応していくテストです。
手動装置は一般的には使われていないので、はじめは混乱してしまうかもしれません。
ですが、2回3回と繰り返していくうちに、だんだんと慣れてきます。
間違えて反応してしまった場合でも、咄嗟に気付いて、正しい操作へ修正することができれば、冷静に判断できていることになります。
画面に表示されて、反応するまでにかかった時間などは、気にしなくても構いませんので、慌てずに、ひとつひとつ画面を確認しながら操作を行うことがポイントになります。